大毎こぼれ話−初優勝の喜びに浸って
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佐野 健(昭和30年卒)
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ペアールック
「明日はなに色のパンツを穿かれますか?」「黒やな」「そしたら帽子も黒にしますネ」
こんな会話が渡辺先輩と私の間で茲数年特に気の張るオープニングゲーム、準決勝、
決勝などで試合の前日に交わされます。
近頃はデ杯のダブルスはペアールックが規定されているとか、でも我々のはシャツ
(大体白)、パンツ、帽子ともメーカーまで揃えると言うのでなく 色のみ。「コートにたて
ば多少の違いはあってもそう目立たない、背の高い低いはあっても二人とも同じよう
な体型でよう似合うてて格好良い」と応援席で評判になっているとか、いないとか。
今後もペア−ルックで頑張ります。 応援宜しくお願いします!!
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審判に挨拶
甲子園での決勝戦、相手の球がアウトして優勝が決まった瞬間、私は喜びと感激で目頭
にじわっとくるものがあり 相手と握手、パートナーである渡辺先輩と固い握手、本当に
有難う御座いましたともう一度握手、渡辺先輩の目も少し潤んでいたように見えたのは間
違いだったでしょうか。「やっと佐野ケンに優勝させてやる事が出来た」とほっとされた瞬間
だったでしょう。でも先輩は直ぐに審判員(優勝戦だけ公式審判がアウト・セーフの大きな
過ちの訂正とスコアーをカウントしてくれる−Solo Chair Umpireと言う)の方に二・三歩
歩み寄られ丁寧にお辞儀をして「審判有難う御座いました」。 私も慌てて右へ習え、その
時に五十年余り前慶応に勝って王座を獲得、みな抱き合って感涙に咽んでいた時、当時
学連の幹事長をしておられた橋本先輩が「挨拶・挨拶」と喜びを体一杯に表しながら皆を
整列させようとしておられた風景が何故かホッと蘇りました。
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古いボルボ
震災後九年余りになりますが、わたくしメは週末甲子園にテニスに出かける際、畏れ多くも
いつも渡辺先輩に車でピックアップして頂き、帰りも乗せて頂き、芦屋川の丁度私のマンシ
ョンの有る辺りの向側で降ろして頂き堤防を降り、川を渡り再び岸壁をよじ登って帰宅する
と言う事が続いていました。所が少し前から「今度新しい車に買い換える事にした」との事、
そして準決勝で宿敵(過去二年に亘り公式戦で四回連続負けしていた)をセットオールで
やっと下しての帰路の事「この車縁起がエエから新車持って来させるのを明日の夕方に
延ばそ」「明日もこの車で行くわ」と渡辺先輩。 「そうですね、有難う御座います」と私。
優勝戦を控えとても神経質になっている私を少しでもリラックスさせようと言う先輩の暖か
い御心使い。お蔭様で(車の御利益もも然る事ながら、先輩の何が何でもと言う気迫と踏
ん張りのお蔭で)万年準優勝・ベスト4男だった私が念願の優勝カップを手に入れる事が
出来ました。 先輩に“感謝・感謝!”
新しいボルボはシルバーで少し小型ですが新車の良い匂いがしてます。でもあのあずき
色の少々エンジンの音が高くなっていたボルボが懐かしい。 古いボルボさん有難う!
新しいボルボさん今後もよろしくお願いします。
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Well done, thank you, partner !
試合後、後輩達から送られてきたお祝いのE-mailのお礼の返事に、優勝戦の時の私の
出来に対して渡邊先輩が下さったなんと清々しい、しゃれたお褒めの言葉でしょう。75歳
以上に権利のある先輩ですが私のために一ランク下の厳しいグループに出て頂き、大会
前に少し軽めに代えられたラケットから打ち出される球はフォァー、バックとも素晴らしく、
また長いリーチを生かしたボレー、ポーチ、スマッシュと獅子奮迅、その素晴らしい出来栄
えに私も大いに助けられ、啓蒙され普段よりもちょぴり格上のテニスが出来たと言うこと
か?「今日は完敗ですわ」とは相手から貰った賛辞。「お二人の友情溢るるお喜びのメー
ルを読んでいて胸が熱くなりました。KUTCの先輩・後輩の鑑みたいなご関係」と褒めてくれ
たのは曽根さんでした。
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(平成16年6月3日記)
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やっと この優勝カップを戴きました 惜しくも優勝を逃がした善野・斉藤組と
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